最近の御問合せでもっとも多いのがこの問題です。そして恐らく日本中のメッキ業者が頭を抱えている問題だと思います。
問題点としては以下の事項が考えられます。
1.代替品の性能の問題 |
単なる耐食性だけでなく外観やトルク特性、塗装などの後処理とのマッチング等を含めて、決定的なものが有りません。 |
2.コストの問題 |
薬品の高価さ、処理時間の長さ、設備の改造や更新の必要など、コストアップが避けられない状況です。 |
3.排水処理方法の問題 |
代替品の中には排水処理が難しくなるものも有ります。どんなに性能が良くても法律に則って捨てられないものは使えません。 |
4.管理方法の問題 |
従来品に比べて日常管理が難しく、ちょっとしたことで液のバランスを崩す恐れが有ります。PHや補給の管理機が必須。 |
5.図面の表記方法の問題 |
JIS規格等がまだ定まっていない為、お客様によって表記方法がまちまちです。特にクロムメッキやもともと3価に近い外観のユニクロ処理と間違われるケースも出てきております。 |
以上のような問題点を抱えており、まだまだ過渡期の処理方法である事は否めません。
弊社を含めた日本中、世界中のメッキ業者が取り組んでいるはずですが、是非御理解いただきたいのはメッキ業者だけでは解決できない問題であるという事です。
メッキ皮膜の物性評価や表記の問題はメッキ業者だけでは決められませんし、最も問題となるであろうコストについても薬品メーカーの協力やユーザーの御理解が欠かせません。仕事量の確保が困難な昨今、望んでコストアップをするメッキ業者は少ないはずです。コストアップを理由に更にメッキ離れが進む事を我々は大変危惧しております。
「メッキの問題だからメッキ業者にお任せ」ではなく、共通の問題として取り組んでいただける方々が少しでも増える事が問題解決の第一歩ではないでしょうか。
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