Q&A よくあるご質問・ご意見
 
例えば同じ亜鉛メッキでもA社とB社で価格が極端に違うのはなぜですか?
確かにメッキは生産方式によっては極端な場合は倍以上の価格差が出てしまうことも有ります。
手作業で小ロット品に対応している所では大量にメッキすることが不可能な反面、細かいメッキの制御や管理が可能でその分、付加価値を上げていくことができ、結果的にメッキ価格も高めとなります。
一方、自動機ラインでは同じ製品を一度に大量にメッキする為に省力化・自動化を進めており、結果として比較的安価にメッキすることができますが、小ロット品や一点物の場合は治具の取替やメッキ条件の制御に手間が掛かる他、省力化の反動で梱包や現品票貼り等の管理には十分に手が掛けきれない事も有ります。もちろん何とかメッキすることが可能でも途中で人為的に手間を掛けることはほとんどできませんから場合によってはメッキの品質にも大きな差が出ることがあります。
また安価な労働力を用いて昼夜兼行で大型自動機を稼働させている業者(自ずとロットのまとまった仕事が中心となるはずです)とそうでない業者とでも原価率の違いから差が付く可能性は有ります。
他にも要因は多々存在するのですが、同じメッキ(ワーク)でも会社の規模や持っている設備によって得意不得意があることが価格差を生んでいるといえるのではないでしょうか。

6価クロムフリーについて、エンドユーザーからの切替え要求が増加しており対応に苦慮しているのですが?

最近の御問合せでもっとも多いのがこの問題です。そして恐らく日本中のメッキ業者が頭を抱えている問題だと思います。
問題点としては以下の事項が考えられます。

1.代替品の性能の問題 単なる耐食性だけでなく外観やトルク特性、塗装などの後処理とのマッチング等を含めて、決定的なものが有りません。
2.コストの問題 薬品の高価さ、処理時間の長さ、設備の改造や更新の必要など、コストアップが避けられない状況です。
3.排水処理方法の問題 代替品の中には排水処理が難しくなるものも有ります。どんなに性能が良くても法律に則って捨てられないものは使えません。
4.管理方法の問題 従来品に比べて日常管理が難しく、ちょっとしたことで液のバランスを崩す恐れが有ります。PHや補給の管理機が必須。
5.図面の表記方法の問題 JIS規格等がまだ定まっていない為、お客様によって表記方法がまちまちです。特にクロムメッキやもともと3価に近い外観のユニクロ処理と間違われるケースも出てきております。

以上のような問題点を抱えており、まだまだ過渡期の処理方法である事は否めません。

弊社を含めた日本中、世界中のメッキ業者が取り組んでいるはずですが、是非御理解いただきたいのはメッキ業者だけでは解決できない問題であるという事です。
メッキ皮膜の物性評価や表記の問題はメッキ業者だけでは決められませんし、最も問題となるであろうコストについても薬品メーカーの協力やユーザーの御理解が欠かせません。仕事量の確保が困難な昨今、望んでコストアップをするメッキ業者は少ないはずです。コストアップを理由に更にメッキ離れが進む事を我々は大変危惧しております。
「メッキの問題だからメッキ業者にお任せ」ではなく、共通の問題として取り組んでいただける方々が少しでも増える事が問題解決の第一歩ではないでしょうか。


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